Project Story No.03

プロジェクト
ストーリー

Story
No.03

ガバナンス向上のために
内部監査部門の再整備を支援

ディレクター 永松 正大が語る

200もの
グループ会社の
内部監査を支援

Z社は、多くの事業を世界中で展開しており、国内外からそのブランドや技術を高く評価されていた。だが、あるタイミングで経営に関するガバナンスとコンプライアンスの問題が発生。この問題は非常に厳しいものであり、社会的関心も高かったため、一定期間内に改善が見込めなければ、株式の上場廃止もあり得る事態となった。

上場維持のために示された条件は、ガバナンスなど内部管理体制の改善を示すこと。そのためには、約200社にも上るグループ会社の内部監査を期限までに終える必要があった。だが、Z社の内部監査室のメンバーは20名程度で、経験も決して十分とは言えず、圧倒的にリソースが足りていない状況であった。そこで、外部の企業に協力を仰ぐこととなり、コンペが実施された。

このコンペに挑んだのは、CDIソリューションズ(CDI-S)の他には大手監査法人のみ。一般的な業務改革や戦略立案とは異なる性質のこの案件は、当然ながら監査法人が有利と思われる状況だ。だがしかし、Z社が選んだのはCDI-Sだった。

そもそも内部監査には、さまざまな困難をともなう。決算の数値を精査するだけではなく、事前に財務や業務の分析を行ってリスク評価するなど十分な準備をした上で、グループ会社の経営陣に2~3日掛けてヒアリングを実施。そこから導き出される結論、すなわち監査指摘事項の有無をドキュメントにまとめるのだが、ヒアリングの対象者は、グループ会社とはいえ社長をはじめとする経営層であり、内部監査スタッフよりポジションや社歴が上であることが多い。そのなかで、「本社対グループ会社」という構図で監査を行うと反発を招く可能性もあり、上場維持に向け全社一丸となっていくためにはコミュニケーションの在り方にも気を遣う必要があった。

こつまり今回の内部監査は、対象者が決して協力的ではない可能性があるなかで、一般的な企業のコンサルティングにおいて数週間から数ヶ月掛けておこなう分析フェーズを、極めて短期間に実施するようなものだったのである。

CDI-Sなら戦場を最後まで共に
駆け抜けて
くれる

このプロジェクトにおいてCDI-Sが選ばれた理由。それは、Z社の内部監査部門はまさに戦場になろうとしており、その極限状態のなかで、最後まで一緒に仕事をやり遂げてくれるという安心感であった。

また、このプロジェクトでは単なる内部統制監査・業務監査ではなく、新しい経営陣のもと経営に役立つ監査、すなわち経営監査を行いたいという方針が示されていた。それは、業務が適法・妥当か否かだけでなく、グループ会社の戦略・位置づけがグループの方向性にマッチしているかという観点で監査を行うことを意味していた。

株式上場維持という、いわば防御のための内部監査ではあるものの、この機会を最大限に活かしてグループ全体の経営を最適化し、困難を乗り越えたいという思いがあったのだ。そしてそのためには、経営、業務、財務といった多方面から企業を見ることができる、CDI-Sのコンサルタントは最適と言えた。

この内部監査部門長の期待に対して、CDI-Sそして担当ディレクターは全力で応えた。当初の発注は、内部監査室へのアドバイザリー業務にとどまっていたが、結果的にはCDI-Sのコンサルタントひとりひとりが内部監査チームの一員として、Z社の社員と共に世界中のグループ会社へに出向くこととなった。

また、内部監査だけではなく、外部監査人によるJSOX監査も同時に実施されており、その指摘事項への対応にもCDI-Sが支援することとなった。膨大な指摘事項に対して、Z社内の業務プロセスが対応・改善できているか否かを確認し、できていない場合は適切な業務フローの構築も必要であった。

Z社社員と伴走しながら
内部監査を成し遂げる

約200のグループ会社をすべて監査するには、人も時間もとても足りないため、監査資源の集中を行うこととした。そこで選別された往査対象の約50社については、CDI-Sのスタッフも同行した。それらの地域は国内のみならず、アジア、オセアニア、欧州、北米、南米なども含まれており、そこへCDI-Sのメンバーが同行することは、Z社内部監査室のスタッフに対し、質問の仕方や話しの聞き方、また報告書のまとめ方などを実地でやって見せる教育効果もあった。

他にも、ヒアリング対象者が話しやすいシチュエーションを作り出すため、アイスブレイクを取り入れたり、ヒアリングの意図や目的を丁寧に伝えたりして、細かな進め方など監査において有効な技術も伝えていった。

また、過去のコンサルティングの経験もフルに活用した。販売会社や製造業など、事業形態によって見るべきところ、起きうる事象はある程度類型化できる。また、国外においても中国やブラジルなど、国ごとのリスクには特性がある。そうしたあらゆることを想定し、考慮して内部監査を進めていった。

こうして、内部監査部門のメンバーとCDI-Sのコンサルタントは、1年という限られた期間のなかで最後まで共に走り続けた。その結果、内部監査部門の社員もコンサルタントとしての能力を身につけ、自ら十分に監査を実施、優れた報告書を仕上げることができるほどに成長した。また、Z社内全体での内部監査に対する意識も変わり、多くの社員が「会社存続のため」という思いを共有し、内部監査はそのために必要なこととしてヒアリング等にも協力的で、当初、不安要素が多かったこのプロジェクトだが、共に課題をクリアし着々と前進していった結果、CDI-Sの担当ディレクターも成功への道筋が見えた。

上場維持と
監査部門の
地位向上を実現

監査業務は、監査チーム間で作業スケジュール・品質の差異等も生じたりしたものの、最終的には期限までにすべての実務を終えることができた。そして、無事にガバナンスの問題をクリアし、上場も維持されることとなった。

さらに、このプロジェクトを経て、Z社の内部監査部門はその存在感を高めるという結果も生んだ。従来、監査部門は縁の下の力持ちであり、どちらかといえば日陰の存在であったのに、である。これは、会社存続の危機においてそれを救い、また全社におけるガバナンス意識の向上に、人と向き合い一緒になってあるべき姿を作り上げるというCDI-Sの業務改革の在り方が、大いに貢献したと言えよう。

また、監査部門の社員は人事面でキャリアパスが描きづらい…という不利な一面も、監査部門の社員がグループ会社の監査役を兼任するという新たなキャリアパスを築くことで払拭できた。そのため、社内で自ら監査部門への異動を希望するものが出てきたり、社外から中途採用しやすくなったりという嬉しい副産物も生まれた。

このプロジェクトでは、CDI-Sが得意とする「クライアントのなかに入り込み、クライアントと共に汗水流して、業務改革を成し遂げる」というCDI-S特有の仕事の流儀が、内部監査という他の領域においてもその効果を大いに発揮した。また、Z社という大企業の上場維持とガバナンス改善を支援したこのプロジェクトは、社会や株式市場の混乱を防いだという社会的な意義も大きかったと言えよう。

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